親を亡くす年齢の平均は?中央値や母や父が亡くなる前にやるべきことを解説
皆さんの中には親を亡くす年齢はいくつくらいになるのか気になる人もいるのではないでしょうか。歳を重ねるごとに、親の死を意識することも少なくないはずです。
しかし、自分が何歳の時に親を亡くすのかわからない人も多いでしょう。ここでは、親を亡くす年齢の平均や親が亡くなる確率、母や父が亡くなる前にやるべきことについて紹介します。
親を亡くす年齢の平均は?
親の死を経験する年齢は何歳くらいが多いのか気になる人もいるでしょう。「 第一生命保険相互会社」様が行った「中高年者の遺産相続に関する調査」でのアンケート項目「自分が何歳のときに親を亡くしたか?」では、父親を亡くした際の年齢は平均39.1歳、母親を亡くした際の年齢は平均46.4歳となります。
19歳未満 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
父親 | 88.66人 | 92.235人 | 126.555人 | 198.77人 | 208.78人 |
母親 | 38.61人 | 55.77人 | 73.645人 | 189.475人 | 357.5人 |
「厚生労働省」から発表されている「主な年齢の平均余命」は、2023年時点で男性が81.09歳、女性が87.14歳です。この結果から見ても、平均寿命と比べて親を亡くす年齢の平均はかなり低いものとなっています。
令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | |
男性 | 81.47歳 | 81.05歳 | 81.09歳 |
女性 | 87.57歳 | 87.09歳 | 87.14歳 |
また、同様に「厚生労働省」から発表されている「人口動態統計月報年計(概数)の概況」内の「母の年齢(5歳階級)・出生順位別にみた出生数の年次推移」を参照したところ、子供の出生数は、20代から30代が最も多いです。そのため、生まれた際の親の年齢と平均寿命を合わせて考えた際、親の死を経験する年齢は50代から60代が多くなります。
19歳以下 | 20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 34~39歳 | 40~44歳 | 45歳以上 | |
令和4年 | 4557人 | 52850人 | 202502人 | 279513人 | 183325人 | 46336人 | 1658人 |
令和3年 | 5542人 | 59896人 | 210433人 | 292439人 | 193177人 | 48517人 | 1617人 |
令和2年 | 6948人 | 66751人 | 217804人 | 303436人 | 196321人 | 47899人 | 1676人 |
長い時間一緒に過ごしてきた家族とのお別れはとても悲しいものです。親を亡くした後、不眠症や拒食症などの体調不良や鬱の様な状態になり精神が不安定になることもあるため、前もって心構えをすることが大切です。
【年代別】親が亡くなる確率
親が亡くなる割合は年齢ごとにどれほど差があるのか気になる人もいるでしょう。
20代と30代ではどれだけ違うのか、割合が急激に増える年齢はあるのかなど気になることは多いと思います。
ここでは、「国立社会保障」様が発表している「第8回世帯動態調査」の結果を参考にし、親が亡くなる確率を年代別に紹介します。(ただし、30~34歳、35~39歳、40~44歳の父親のみ生存と両親とも死亡は、参考資料のグラフに数値の記載が無かったため近い多いさのグラフの数値を立てはめています。)
20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 44~49歳 | 50~54歳 | 54~59歳 | |
両親とも生存 | 95.9% | 93.9% | 89.1% | 81.6% | 73.6% | 60.0% | 41.6% | 22.4% |
母親のみ生存 | 3.2% | 3.7% | 8.0% | 13.0% | 18.7% | 26.3% | 38.2% | 42.0% |
父親のみ生存 | 0.9% | 2.4% | 2.4% | 4.4% | 5.3% | 7.2% | 7.6% | 7.1% |
両親とも死亡 | 0% | 0% | 0.5% | 1% | 2.4% | 6.5% | 12.6% | 28.5% |
20代の場合
第1に、20代の場合です。20代で親を亡くす確率は、前半だと4.1%、後半だと6.1%になります。
20代の人だと、親の年齢は40代から50代の人が多いでしょう。両親が2人とも亡くなっている人はほぼいませんが、父親か母親のどちらかを亡くしてしまっている人は少なからずいます。
40代や50代の人の亡くなる原因は腫瘍や疾患によるものが最も多く、その次に多いのが自殺になります。また、40代よりも50代の方が自殺の割合が減り、腫瘍や疾患の割合が増えています。
30代の場合
第2に、30代の場合です。30代で親を亡くす確率は、前半だと10.9%後半だと18.4%になります。
20代の場合と同様に、両親が2人とも亡くなっている人はほぼいません。しかし、父親か母親のどちらかを亡くしてしまっている人は20代の人たちと比べて、前半は約2倍、後半では約3倍に増えています。
30代では、親の年齢は50代から60代の人が多いでしょう。50代から60代の人の亡くなる原因も20代の場合と同じで腫瘍・疾患によるものが最も多く、その次に自殺となっています。
60代になると腫瘍や疾患の割合がさらに増え、自殺の割合が50代の半分以下まで減っています。また、女性が腫瘍や疾患によって亡くなる割合がもっとも多いのが50代から60代となっており、70代からは腫瘍・疾患や事故、老衰、自殺以外の原因が増えている傾向にあります。
40代の場合
第3に、40代の場合です。40代で親を亡くす確率は、前半だと26.4%後半だと40.0%になります。
40代になると、両親を2人とも亡くしてしまっている人もいるようです。また、両親のどちらかを亡くしてしまっている人は、30代の人たちと比べて前半は約2.5倍、後半では約2倍に増えています。
40代では、親の年齢は60代から70代の人が多いでしょう。60代から70代の人が亡くなる原因でも20代や30代と同じで腫瘍・疾患によるものが最も多く、その次に自殺で亡くなっているケースが多いです。70代になると自殺で亡くなっている人はかなり少なく、事故で亡くなっている人の方が多くなっています。
また、男性が腫瘍や疾患によって亡くなる割合が最も多いのが60代から70代となります。
50代の場合
第4に、50代の場合です。50代で親を亡くす確率は、前半だと58.4%後半だと77.6%です。
50代では両親を2人とも亡くしてしまっている人もさらに増加しているようです。両親とも生存している割合が50代の前半で41.6%、後半で22.4%なのに比べ、両親をどちらも亡くしてしまっている割合は前半で12.6%、後半で28.5%と50代後半ではその割合が逆転しています。また、両親のどちらかを亡くしてしまっている人も、40代の人たちと比べて前半と後半どちらも約2倍に増えています。
親の年齢は70代から80代の人が多いでしょう。70代から80代の人が亡くなる原因でも腫瘍・疾患によるものが最も多く、その次が事故や肺炎です。80代では腫瘍・疾患の次に老衰出なくなる人の割合が増えてきます。
親を亡くす平均年齢の中央値
ここでは、親を亡くす平均年齢の中央値について紹介します。自分が何歳頃の時に親を亡くすのか気になる人も多いでしょう。
日本人の平均寿命は、2023年時点では男性が81.09歳、女性が87.14歳となっています。そして、1人目の子供を出産する年齢は20代から30代が最も多いです。これらのことから、50代から60代の年齢で親の死を経験する人が多くなるでしょう。
ですが、平均寿命よりも長生きする人もいれば、そうでない人ももちろんいます。食事や健康に気をつけて過ごすことで平均寿命より長く生きられる人もいれば、健康に気を付けていても急な事故や病気にかかり平均寿命よりも若い年齢で亡くなってしまう人も少なくありません。
親の死を経験する平均年齢の中央値はあくまでも目安です。いつ何が起きるかわかりませんので、悔いを残さないよう日々を過ごしてください。
母や父が亡くなる前にやるべきこと
両親が亡くなる前に何をしてあげたらいいのか悩む人もいるでしょう。お別れの時に、後悔や未練が残らないよう自分がしてあげられることは何かと考える人は多いと思います。
ここでは、母や父が亡くなる前にやるべきことを3つ紹介します。
その1 亡くなった後の希望を確認する
第1に、亡くなった後の希望を確認することです。できる限り親の望みを叶えてあげてください。
皆さんも、親のことを想い、考えていることはたくさんあるでしょう。少しでも身体の負担にならないように、寂しい想いをしないようにと、兄弟や親戚の人たちと相談して自分たちにできることをしてあげようとしているはずです。
ですが、皆さんが親のことを考えているのと同じように、親も自分のことを考えています。亡くなった後のことや、残された時間をどうやって過ごしたいかについて、「葬儀は身内だけでやってほしい」、「最後の時間は自宅で過ごしたい」などの希望もきっとあるでしょう。
自分が亡くなった後や最後の時間をどうしたいかを考えている人は多いはずです。親が最期の瞬間に悔いや後悔を残さないように、希望はないか聞いてあげてください。そして自分にできることをしてあげましょう。
その2 両親と過ごす時間を増やす
第2に、両親と過ごす時間を増やすことです。してあげたいことがあれば早めにしてあげてください。
元気な親の姿を見ていると、いつか来るお別れの瞬間を想像できる人は少ないでしょう。しかし、急な事故や病気で突然いなくなってしまうこともあります。親が高齢であれば、少し体調を崩しただけでもそのまま寝たきりの状態になることも珍しくありません。いつか親孝行してあげたいと思っていても、できなくなり後悔するでしょう。
後悔しないためにも、元気なうちに親孝行をしてあげてください。一緒に旅行に行ったりおいしいごはんを食べに行ったりして素敵な思い出をたくさん作ってあげましょう。もし、親からやりたいことやしてほしいことなどの希望があれば、できる限り一緒にそれを叶えてあげてください。
親孝行をしようと考えた時、両親と過ごせる時間は自分が思っているよりも少ないです。限られた時間の中で、素敵な思い出をたくさん作ってください。
その3 感謝を伝える
第3に、感謝を伝えることです。「ありがとう」の言葉は、身近な相手ほど伝えづらい言葉です。
多くの人にとって、親は大切な存在です。だからこそ、直接感謝を伝えることは照れくさく感じる人も少なくないでしょう。ですが、そんな相手だからこそ、直接会って感謝の気持ちを伝えてあげてください。
「いつもありがとう」と一言だけでも構いません。それだけでも、あなたの感謝の想いは親に伝わります。直接伝えたくても会いにいけない場合は、電話やビデオ通話で伝えても良いでしょう。
また、直接伝えることが恥ずかしい場合、手紙やメッセージで感謝を伝えるのもよいでしょう。メールやSNSだとメッセージを保存できるのでいつまでも残すことができ、受け取った方もいつでも読み返すことができます。
より感謝の気持ちを伝えたい時は手書きの手紙がおすすめです。1文字1文字丁寧に書くことで、より感謝の想いを込めたメッセージを伝えられます。
感謝の気持ちを伝えることは普段なかなか伝える機会がないことかもしれません。しかし、ありがとうの言葉は伝える方も受け取るほうも嬉しい言葉です。伝えられる時はできる限り伝えてあげてください。
親孝行の計画を立てよう
親が元気なうちに親孝行の計画を立てていきましょう。先延ばしにしてしまうと親孝行する機会を逃してしまう可能性が高くなります。
親の元気な姿を見ていると、弱った姿やいずれお別れする時が来ることをイメージしにくい人もいるはずです。「まだまだ元気だから」と親孝行を先延ばしにしてしまう人も少なくないでしょう。
ですが、歳を重ねるごとに徐々に身体は弱くなっていき、自由に移動することが難しくなっていきます。病気や事故で急なお別れを迎えることもあるでしょう。そうなってしまうとしてあげたかった親孝行をしてあげられなくなります。
親孝行ができなかったと後悔しないためにも、早めに計画を立てて親孝行してあげてください。旅行に行っておいしいごはんや観光地を巡ったり、地域のイベントに参加して両親と一緒に近所の人たちと交流したりするのも良いでしょう。
親孝行はいつでもできるものではありません。後で後悔しないように、親の元気なうちから計画を立てて親孝行をしてあげてください。
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