年賀状じまいの文例を年代別に紹介【40代・50代・60代・70代必見】
毎年、新年の挨拶にやり取りする「年賀状」は古くから日本の伝統として根強い人気があります。親しい友人や家族、仕事上の関係者とのつながりを再確認する手段として重宝されてきた、新年を迎える際の重要な習慣です。
しかし、近年では年齢を重ねるごとに「年賀状じまい」を検討する方が増えています。終活の一環として年賀状のやり取りを終了し負担軽減をしたい思いが強まっています。
「年賀状じまい」とは具体的に何を意味するのでしょうか?そして、どのような配慮や文章がふさわしいのでしょうか?
冷静に考えると、『「もう年賀状は出しません」と言われて気を悪くされないか?』不安になりますよね。この記事では「年賀状じまい」を考えている方に向けて40代から70代の年代別に適した文例や、年賀状じまいを行う際のポイントを紹介します。
年賀状じまいとは?
年賀状じまいとは、この年賀状を最後にし来年以降、年賀状を出しません。と年賀状のやり取りを終わりにすることを言います。年賀状は、昔から親しい人との間で年に1度、近況報告も含めた新年の挨拶を届け、ご縁を繋ぐ大切なコミュニケーションツールとして存在して来ました。
しかし昨今、手書きや年賀状作成の負担からSNSやメールで年始の挨拶に以降する方も増えています。
毎年、届いていた年賀状が突然届かなくなると、相手に不快な思いをさせる可能性もあるため、事前に「最後にします」と伝えるのが年賀じまいです。特に、40代以降になると終活の一環として年賀状じまいを検討する人が増えています。70代、80代の方の場合は「終活年賀状」とも呼ばれます。
年賀状じまいの文例
年賀状じまいは、単に「年賀状をやめる」ということだけでなく、相手に対して感謝の気持ちをしっかりと伝える場面でもあります。長年続けてきたこの伝統をどのように終えるかは、相手とのこれからの関係にも影響を与えるため、丁寧な言葉選びやタイミングが重要です。
相手に「絶縁状」だと勘違いされないためにも、年齢やライフステージに合わせた思いやりのある文章で、年賀状じまいをする理由を伝えましょう。ここでは40代、50代、60代、70代の年代別に適した文例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
40代の場合
40代は、まだ働き盛りで家庭や仕事など、忙しいステージですね。密接な人間関係が多い時期なので今後も親しくしたい気持ちを伝える事が重要です。
年賀状じまいをする場合でも、丁寧に事情を説明し相手に不快な思いをさせないよう気を配りましょう。
【文例】
拝啓 時折ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
長年にわたり、年賀状にて新年のご挨拶を申し上げて参りましたが、私自身の仕事や家庭の都合もあり、今後は年賀状でのご挨拶を控えさせていただくことに致しました。
日ごろからのお付き合いに心から感謝申し上げるとともに、今後は別の形でご縁を繋いでゆきたいと考えております。
どうぞ、今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
50代の場合
50代になると、子どもの独立や親の介護など、家族の変化が多くなります。しかし年賀状が負担になっている。といったマイナスの印象は避けたいところです。
そのため、個人的な事情を踏まえつつ、相手に前向きに理解してもらえるような文章が好ましいでしょう。
【文例】
拝啓 新年を迎えるにあたり、ますますのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
私ごとで恐縮ですが、昨今は親の介護や、家庭の変化が重なり、年賀状でのご挨拶を続けることが難しくなってまいりました。
よって、誠に勝手ながら、今回をもちまして年賀状によるご挨拶を終えさせていただくことに致しました。
これまでいただいたご厚意に心より感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご交誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
60代の場合
60代は定年退職や、第二の人生のスタートを迎える年代です。新たなライフステージへの転換を背景に、年賀状じまいをするケースが増えています。
年賀状じまいに一番多い年代なので、気負わずさらっとお伝えしましょう。
【文例】
拝啓 寒冷の候、いよいよご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたび、私も定年を迎え、新たな生活に入りましたことを機に、年賀状でのご挨拶を控えさせていただくことに致しました。
これまでの皆様からのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後は別の形でご挨拶できればと存じます。
どうか今後も変わらぬご交誼をお願い申し上げます。
敬具
70代の場合
70代になると、体力的な負担や視力の低下などの理由から、年賀状じまいを選ぶ人が増えてきます。
長年の感謝を述べつつ、丁寧にご縁を大切にする気持ちを伝えることが大切です。
【文例】
拝啓 新春の候、皆様のご健康をご多幸をお祈り申し上げます。
長年にわたり、年賀状を通じて新年のご挨拶をさせていただきましたが、この度、私の体調を考慮し、年賀状でのご挨拶を控えさせていただくことに致しました。
これまでのご厚情に心から感謝申し上げます。
これからもお元気でお過ごしください。今後とも変わらぬご交誼のほど、お願い申し上げます。
敬具
年賀状じまいを行うときの注意点
長年にわたって続けてきた慣習を終わらせるため、相手に不快な思いをさせず、今後も良好な関係が続けられるようにしたいものです。年代別の文例を紹介しましたが、文例に限らず相手との人間関係に応じて気持ちのこもった年賀状じまいを届けるために3つの注意点を紹介します。
注意1:タイミングを選ぶ
年賀状じまいは、相手が年賀状を用意するよりも前の、12月までに出すのがマナーとされます。
しかし12月になってしまった場合には、すでに相手が年賀状を用意して下さっているかも知れないので、普通の年賀状を用意し、年賀状じまいの文章を添えましょう。
注意2:感謝の気持ちを忘れない
年賀状じまいをする際には、長年の交流に対して感謝の言葉を必ず伝えましょう。
多くの人にとって重要なコミュニケーション手段であった年賀状を終わらせるのですから、丁寧に感謝を伝え、相手に敬意を示すことが大切です。
注意3:他の連絡方法を提案する
年賀状じまいを行っても、相手との関係を完全に終わらせるわけではありません。
メールや電話、SNSでの連絡を提案することも有効です。
これにより「もう交流したくない」と感じさせることなく、穏やかに年賀状を終えることができます。
終活の一環としてはじめよう
年賀状じまいは終活の一環として行うことも多くあります。終活とは自分自身の人生を整理し、最後を迎える準備活動です。年賀状じまいも終活のひとつで、将来の負担を減らすだけでなく、今後の人間関係のあり方を見直す良い機会です。
特に40代や50代のうちから終活を意識しはじめることは、生き方を見つめ直す貴重な機会にも繋がります。年賀状じまいを通じて、自身のライフスタイルや人間関係を再考することは、未来に向けた前向きなステップと言えるでしょう。終活に取り組むということは、新たな形での人との繋がりを大切にしていくということです。
こうした終活の中でも、年賀状じまいは特に身近で実行しやすいステップのひとつです。年齢に関わらず、いつでも始められる終活として取り入れてみてはどうでしょうか。
コメント