亡くなった人に会いたい心理4選|故人との思い出を振り返るおすすめの方法
大切な人が亡くなった後で「もう一度会いたい」という気持ちになるのは自然なことです。今まで一緒に過ごしてきた時間が長ければ長いほど、死を受け入れるのに時間がかかります。なかには、自分が苦しいときに他界した父親や母親を思い出して、涙を流すこともあるでしょう。
改めて、「亡くなった人に会いたい」という感情は、どのようなことを物語っているのでしょうか?
この記事では、亡くなった人に会いたい心理について考察しています。また、故人との思い出を振り返るおすすめの方法についても触れているので、故人との偲ぶ時間を大切にしたいと人たちは参考にしてみてください。
亡くなった人に会いたい心理4選
もう会えないとわかっていても、亡くなった人に会いたくなるのは不思議なことではありません。それは、大切な人との心理的な繋がりが強かった証拠とも言えるでしょう。
なかには、自分の気持ちに整理がつかず、客観的に自分の状態について見つめ直したいという人たちもいるはずです。一概には言えませんが、ここでは、亡くなった人に会いたいという心理が示す事柄についてまとめているので、参考にしてみてください。
心理1 亡くなった事実を受け入れられずに寂しい
第1に、亡くなった人に会いたいという感情は死の事実を受け入れられずに寂しいという心理の現れと考えられます。
いうまでもなく、だれしもが死を迎える一方で、その時は突然訪れます。とりわけ、心の準備ができていなかった場合は強い喪失感を抱くことでしょう。そうでなくとも、一緒に暮らしていた家族や若い頃から仲良くしていた友人が亡くなるのは悲しく、受け入れがたいことです。
いつもの場所にいない、いつもの時間に話せない。あなたの日常にいた大切な人が突如としていなくなったことを受け入れられずに「会いたい」と思うのは自然なことなのです。
心理2 本人に伝えたいことがあって後悔している
第2に、本人に伝えたいことがあって後悔していることから「もう一度会いたい」と思うこともあるでしょう。
例えば、故人と過ごした最期の時間で喧嘩してしまったり、ずっと謝りたいことがあったのに言えないままになっていたりすると、「どうしてもっと早く自分の気持ちを言わなかったんだろう……」と悔やむことがあるわけです。
しかし、当人が亡くなった後では、その言葉を伝えることはできません。「ちゃんと仲直りすればよかった」という気持ちが「もう一度会いたい」という感情を生み出すのは仕方がないことなのです。これを機会に、大切な故人のお墓参りに行ってみるのもよいかもしれません。
心理3 辛い気持ちを相談したい
第3に、「亡くなった人に会いたい」という感情は今の辛い気持ちを相談したい」という心理を示すことがあります。
いつも悩みを親身に聞いてくれていた人が亡くなる喪失感は非常に大きいものです。だからこそ、「あの人がいたら、今の自分に何と言うだろう」と考えて、無性に会いたくなる人たちもいます。特に、故人以外には、だれにも話せないような問題を抱えている場合、「もう一度、話したい」と思いますよね。
人生で自分の理解者を得るのは決して簡単ではないからこそ、故人が貴重な存在だったことに気づくのも「会いたい」という気持ちが生まれたときなのです。
心理4 懐かしい昔話がしたい
第四に、亡くなった人が大好きな友達だった場合、もう一度懐かしい昔話がしたいという心理が「会いたい」という感情に現れることもあるでしょう。
人生で大切なものは何かと言えば、友情と答える人もいるでしょう。仏教の創始者・釈迦が「善き友と共に生きることは、仏道修行の半ばではなく、すべてである」という言葉を残しているくらい、本当の友達とは得難く、貴重な存在なのです。
年齢を重ねるに連れて、思い出話に花を咲かせられるのも友人です。その友を失ったときに、「あの頃のように、もう一度楽しい時間を過ごしたい」と思うのは、その人との時間が楽しかったという証拠と言えるでしょう。
大切な人との思い出を振り返るおすすめの方法
いうまでもなく、「亡くなった人に会いたい」という気持ちは、それだけ故人が大切だったことを物語っています。だからこそ、その気持ちを時間の経過でぼやかすのではなく、ゆっくり思い出を振り返るのもよいでしょう。ここでは、具体的に故人との思い出を振り返る方法についてご紹介します。
方法1 写真や動画を見る
はじめに、故人と撮影した思い出の写真や動画を見る方法があります。
一人で見るのが辛いときはご遺族や共通の友人と一緒に見ることをおすすめします。自分が持っている写真や動画だけではなく、みんなで大切な人と撮影した写真や動画を見ることで思い出話もできるはずです。
近年では、FacebookやInstagramなどのSNSに写真を保存している人たちもいるので、それを閲覧するのもよいでしょう。また、故人と繋がっていた人たちで写真や動画を共有するデジタルサービスもあるので、これを機会に使ってみるのもよいかもしれません。
方法2 思い出の場所を訪ねる
続いて、故人との思い出の場所を訪れてみましょう。
実際に、大切な人と過ごした場所に行くことで記憶が鮮明に思い起こされます。場合によっては、悲しい気持ちになることもあるかもしれませんが、その気持ちと向き合うには良い時間になるはずです。
当時の出来事を回想しながら、街並みや自然を眺めるのは気分転換にもなるでしょう。スケジュールが合えば、家族や友人を誘って一緒に観光するのもおすすめです。
方法3 家族や友人と話す
続いて、家族や友人と故人の思い出について話すのもよいでしょう。
もしかしたら、「故人に会いたい」と思っているのは、あなただけではないかもしれません。
亡くなった人を大切に想う家族や友人と一緒に語らうのは、お互いに寂しさを共有できますし、思いがけないエピソードを聞く良い機会にもなるでしょう。きっと、故人の立場からしても、自分の大切な人たちが思い出話をしてくれているのは嬉しいことに違いありません。
方法4 自分史を作ってあげる
最後に、故人が生きていた証として自分史を代わりに作ってあげるのも選択肢のひとつです。
自分ひとりで作るのではなく、故人の家族や友人たちと一緒に作業を進めることで、故人とのさまざまな思い出がジグソーパズルのように浮かび上がってきます。
死別の悲しみが癒えるまでには相当な時間が必要です。しかし、もし、故人がその時間を悲嘆に暮れて過ごしていることを知れば、切ない気持ちになるのではないでしょうか。それよりも、大切な人を偲ぶ時間からつながりを生み出し、残された人たちと悲しみを共有しながらも笑顔になる時間を作ったほうが、みんなの喪失感を癒せるかもしれません。
家族や友人と思い出について話そう
亡くなった人に会いたくなるのは決して不自然なことではありません。だれしもが大切な人を失えば、喪失感に胸を痛めて、「もう一度会いたい」と願うでしょう。それだけ、あなたの人生に彩りを与えてくれた人と巡り合えたことは、幸せなことです。
もちろん、なかには愛する人を失い、絶望の淵を彷徨っている人もいるかもしれません。けれども、あなたが故人を大切に想うように、故人もまたあなたを大切に思っていたはずです。そのあなたが死別で苦しんでいると知れば、悔やんでも悔み切れないでしょう。
すぐに立ち直る必要はありませんが、家族や友人たちと悲しみを共有する機会を生み出して、一緒に乗り越えていく方向に舵を切ったほうが亡くなった大切な人もまた安心するのではないでしょうか。
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