喪主が娘しかいないときは誰にやってもらう?友人への依頼はありなのか?
自分の親が高齢になると、寂しい気持ちもありますが「親の葬儀」についてどうするかが頭をよぎりますよね。日本において、親の葬儀では実の子どもである長男(男性)が喪主を務めることが多いでしょう。
しかし、一人っ子の女性や姉妹の長女の方の中には「一人っ子の娘である私は、喪主を務めてもいいのか?」「姉妹の姉である私が喪主を務めることになりそうだけど、自信がない…」といった悩みがある方もいるのではないでしょうか。
この記事を読むと、喪主を誰に依頼してもいいのか、また、娘が喪主を務める際の注意点など「女性が喪主を務めること」に関する様々な疑問を解決できます。読み終わる頃には、前向きな気持ちで親の終活の準備に取り掛かることができるでしょう。
喪主が娘しかいないときは誰にやってもらう?
結論から言うと、子どもが娘しかいない場合は娘が喪主を務められます。
一昔前までは、1947年まで続いた家督相続制度によって、喪主は長男が務めることが常識でした。しかし、現在は『喪主は長男が務めるべき』という考え方は古く、少子化の影響もあって女性が喪主を務める葬儀が増えています。
実際には、以下のケースで女性が喪主を務めることが多いです。
- 子どもが娘(女性)しかいない
- 家族の話し合いで娘に決めている
- 遺言で娘が指名された
- 長男が拒否した など
このため、本人さえ負担に思わなければ、娘が喪主を務めることは世間一般的にも問題ありません。
喪主を友人に依頼するのはありなのか?
喪主を友人に依頼することは可能です。
一般的には、喪主の代理にあたる人物を血縁関係が近い順に選びます。ですが、そもそも喪主の決定には「血縁関係があるもの」など法的な決まりはありません。したがって、状況によっては血縁関係のない友人に依頼するなど喪主の決定は柔軟に対応しても構わないのです。
故人に子どもがいない場合・子どもが喪主を務めるのが難しい場合は、故人が生前親しかった友人が喪主を務めるケースもあります。この場合、喪主に指名された友人は、厳密には喪主と言わず「友人代表」となるのが一般的です。
そして、喪主は友人と共同で務められます。
喪主の主な役割は、葬儀の準備・喪主挨拶・参列者への対応などがありますが、自分に務まるか不安な人も多いでしょう。喪主は一人である必要はなく、また、喪主の仕事を複数人で分担することも可能です。一人で行うのに自信がない方は、一緒に喪主の役割を担ってくれる友人を探すのも一つの手でしょう。
喪主を娘にお願いするときの注意点
昔に比べ、現代では少子高齢化の影響もあって女性が喪主を務めることが一般的になってきました。とはいえ、女性が喪主を務めるうえで注意しておかなければならないことがあります。
注意しなければならないのは、主に以下の3点です。
- 一人っ子の娘が嫁いでいれば、その夫が喪主になる場合がある
- 実家に婿入りした娘婿であれば、婿娘が喪主となるのが一般的
- 親族に同意を得る
親族の中には昔からの古い考えを持っている方もいるかもしれないので、葬儀でお互いが気まずい思いをしないためにも、この見出しの注意事項を事前に確認しておきましょう。
注意1 一人っ子の娘が嫁いでいれば、その夫が喪主になる場合がある
第1に、一人っ子の娘が嫁いでいる場合は、長女の夫が喪主になることがあるので注意してください。
喪主は必ず実の子どもでないといけない決まりはありません。家族で話し合ったうえで「夫が務めることが適任」となれば、実の娘ではなく、娘の夫が喪主を務めることも可能です。
もちろん娘が喪主を務めたいという強い意志があるのであれば、夫ではなく娘が喪主になることもできます。
注意2 実家に婿入りした娘婿であれば、婿娘が喪主となるのが一般的
第2に、長女の実家に婿入りした娘婿がいる場合は、娘婿が喪主を務めるのが一般的です。
婿入りしているということは、娘婿を「実の子ども」という捉え方をします。そのため、血縁がなくても婿入りしたら義父・義母の葬儀の喪主は娘婿(男性)が務めることが通常の流れとなるのです。
これは逆を言えば、嫁いだ嫁も実の子どもと同じ扱いになるため、嫁(女性)も義父母の葬儀の喪主になれます。
注意3 親族に同意を得る
第3に、娘や嫁など女性が喪主を務める場合は、事前に親族にも同意を得ると安心です。
親族の中には、1947年まで続いた家督相続制度のなごりで「喪主は男性が務めることが常識」と考えている人もいるかもしれません。どうしても女性が喪主を務めることを納得できない人が親族にいる場合は、男性を交えた複数人で喪主を務めることも検討してみてください。
できるだけ円満に滞りなく葬儀を執り行えるよう、親族への同意は事前に得るようにしましょう。
家族が困らないようにエンディングノートを作成しておこう
両親が生きている間にエンディングノートの作成をしておくと、没後の喪主の決定もスムーズです。
エンディングノートとは、終活に関する自分の考えや希望などを残しておくためのもので、別名「終活ノート」とも呼ばれています。エンディングノートに「喪主は誰にやって欲しいか」を記載してもらうことで、万が一のことがあった時、誰が喪主を務めるかがスムーズに決められます。
親の意向も大切にできるので、現在両親が健在で、これからエンディングノートの準備ができる状態であれば、ぜひ作成をお願いしておきましょう。
エンディングノートの保管場所について家族で共有することも忘れないでください。
没後に家族が困らないように必要なことをまとめておこう
昔は男性である長男が務めることが常識だった喪主ですが、現在は家督相続制度の廃止や少子高齢化などの影響もあり、女性が喪主を務めることも一般的になりました。
女性である娘が喪主を決める際は、親族に同意を得ておくと安心できます。
もしもの時、故人の意思がわかればスムーズに葬儀を執りおこなうことが可能です。本人の意思を共有する方法として、エンディングノートを活用する・生前に終活について家族で話し合う場を設けることが挙げられます。
残される家族のためにも、必要なことを今のうちにまとめておくよう両親にお願いしてみましょう。
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