お供えにのしはいらない？亡くなってすぐの時の選び方と名前なしの場合

2025年3月6日

皆さんの中にはお供えを贈る際、のしは必要なのか悩む人もいるのではないでしょうか。お供えものを開ける際、のし紙がついてると外す手間がかかったり外した後処分する手間がかかったりするため、無い方がいいのではないかと思われるかもしれません。

しかし、のし紙は故人や遺族の方たちに対し敬意や労いの意味が込められているため、かけないことは失礼な行為に当たります。¥ここではお供えを贈るときの基本やお供えにのしはいらないのか、亡くなってすぐとの時のお供えの渡し方やのしに名前を書かない場合の贈り方について紹介します。

お供えを贈るときの基本

こちらではお供えを贈るときの基本について紹介します。贈るお供えの品は故人の信仰していた宗教・宗派によって異なります。宗教によってはお供えの品がマナー違反になることもあるので注意しましょう。

故人が仏教を信仰していた場合は、「五供（ごくう）」に該当する品を贈ると良いでしょう。五供とは、仏教の教えにある死後の世界で故人の役に立つ「香・灯明（とうみょう）・花・飲食（おんじき）・浄水（じょうすい）」の5つをさします。

香は線香、灯明はろうそく、花は文字通りお花、飲食はご飯、浄水はお水やお茶を意味し、お供えの品にはこれらに当てはまるものを選ぶのがおすすめです。しかし、仏教の宗派にある浄土真宗では「八功徳水（はっくどくすい）」と呼ばれる公徳を備えた水が極楽浄土に存在するとされており、浄水はお供えしないとされています。

神道では「神饌（しんせん）」を贈ると良いでしょう。お米、酒、海の幸、山の幸、季節ごとの旬な食材、地位系の名産などさまざまです。中でもお米や酒などがよく選ばれますが、神饌では野菜や山菜、海産物などもお供えの品として選ばれるのが特徴です。

キリスト教では仏教や神道のようにお供えをするという習慣がありません。「人は亡くなると神の国に召される」と考えられているからです。お供えの品の代わりに生花やバスケットフラワーを供えたり、故人の写真に好きな食べ物を供えたりします。

また、お供えの品に故人の好きなものを贈る場合もあります。生前好んで食べていた食べ物や飲み物、よく飾っていた花などをお供えの品として選ぶ方もいるでしょう。ですが、匂いのきつい食べ物や花、毒を持っていたり棘がついていたりなど、故人の好きなものでもお供えの品としてふさわしくないものもあります。もし故人の好きなものをお供えの品として選びたい場合は事前に遺族の方がに確認をとりましょう。

お供え物は故人の信仰する宗教・宗派によって異なりますし、地域によってはお供えの品が決まっている場合もあります。自分が用意しようとしている品が相手にとって失礼な品ではないか不安な場合は事前に確認するのが良いでしょう。

お供えにのしはいらない？

お供えの品を贈る際、のしは必要なのか悩むひともいるのではないでしょうか。お供えを贈る際にのし紙をかけることはマナーです。のし紙は贈る側から相手に対する礼儀を表しています。のし紙をかけずに渡すことはマナー違反になるため注意しましょう。

お供えにのし紙をかけることは、故人へ対する敬意と遺族の方たちへの労いの想いを表すものでもあります。お供えにのし紙をかけずに贈ることは、故人や遺族の方たちに対し無礼な行為になるため注意しましょう。

ただし、相手によってはのし紙をかけずに贈る場合もあります。親族や親しい友人に贈る場合など、気兼ねなく自分の気持ちを伝えられる相手であれば、のし紙がなくてもお供えを贈ることもあります。しかし、お供えを贈る際はのし紙をかけて贈ることが礼儀でありマナーです。かけ忘れがないように注意しましょう。

お供えののし紙は故人や遺族へ対する想いを表すものです。のし紙をかけずにお供えを贈ることは受け取る側の人たちに対し失礼な行為となりますので、十分気をつけましょう。

亡くなってすぐの時のお供えの渡し方

ここでは故人が亡くなってすぐのタイミングでお供えの品の渡し方について紹介します。お供えの品を渡すタイミングは、施主の方へ挨拶する時になります。遺族宅へ伺った際、多くの場合は玄関で施主の方と挨拶を交わすことが多いでしょう。その際に「こちらお仏壇へお供えください」と一言伝えお供えの品を渡してください。

もし渡しそこねた場合は、故人の遺影にご挨拶をした後、落ち着いてからでも問題ありません。ですが、渡し損ねたからといって施主以外の方に渡したり、お仏壇に許可なくお供えしたりするのはマナー違反になりますので注意してください。

お供えの品を持って行く際は、紙袋に入れて持っていく方が多いでしょう。渡す際は紙袋から出して施主の方に渡すのがマナーです。より丁寧な対応としては紙袋ではなく風呂敷に包んで持参すると良いでしょう。風呂敷に包んで持っていく場合も渡す際は風呂敷から出してお供えの品のみ渡すようにしてください。

皆さんの中には、そのまま渡した方が持ち運びやすいので良いのではないかと思う方もいるかもしれません。それだと相手に処分する手間をかけてしまいます。余計な手間をかけないよう紙袋や風呂敷は自分で持ち帰るようにしましょう。また、持ち帰るのなら紙袋や風呂敷などに包まなくても良いのではないかと思う方もいるでしょう。紙袋や風呂敷に包むことは、お供えの品が汚れないようにするために欠かせないため、必ず包むようにしてください。

お供えを名前なしで贈るときのマナー

ここではお供えを名前なしで贈るときのマナーについて紹介します。お供えを名前なしののしで贈る際は、直接相手に渡せる場合にしましょう。直接渡すことで、名前なしのお供えでも誰から贈られたものかを遺族の方たちもきちんと把握できます。

お供えののしに名前を書かなければならないといった決まりはないので、名前を書かなくても問題はありません。しかし、誰から送られた品なのかをはっきりさせるためにも、のしに名前を書くことは必要なマナーだともされています。

お供えの品を贈る際、相手に返礼の手間を取らせたくないと気遣い名前を書かなかったり、身内なので名前を書かなくてもわかってくれるだろうと思い書かなかったりする方もいるでしょう。贈る側としては、相手を気遣い名前を書かなかったとしても、受け取る側としては心遣いに感謝しお礼をしたいと思う方もいるはずです。その際、のしに名前が無いと感謝を伝えることができずもどかしさが残ることもあります。そのためのしには名前をフルネームで書きましょう。

身内に贈る場合でもフルネームで書きましょう。親戚だと同じ名字の方が多く、どこの〇〇さんからのお供えものだったかわからなくなります。贈り主を明確にするためにも、のしに名前を記入した方が受け取る側にとって親切な対応になります。

のしに名前を書かなかったからと言って、相手に対して失礼であるとは言えません。ただし、直接渡せない場合やお供えの品を贈る相手によっては、名前を書いた方が相手を気遣った対応になることもあります。

お供えを贈るときの注意点

ここではお供えを贈るときの注意点について紹介します。お供えの品を選ぶ際、何に気を付けて選べば良いのか悩む人もいるでしょう。

ここではお供えを贈るときの注意点を3つ紹介していますので順番に確認していきましょう。

注意１　消えものを選ぶ

第1に、消えものを選ぶことです。手元に残らないものを贈ることで、保管や管理にかかる手間や負担を減らす事ができます。

消えものとしてよく選ばれるお供えは、お菓子や果物、お茶、お線香、ろうそくなどがあります。これらの食品や日用品は使ったり消費したりすることで遺族の方たちの手元に残らず、保管や管理を行う必要が無いため負担が少なく済みます。たとえ善意からであっても、お供えの後にも残ってしまうものを贈るのは控えてください。かえって保管や管理などの負担になってしまいます。

お供えを贈る際は贈る相手のことに配慮し、食品や日用品など日頃からよく消費するものや使用するものを選んで贈りましょう。手元に残らない品を選んで贈ることでお供えしたあとの遺族の方たちの負担を減らすことができます。

注意２　日持ちするものを選ぶ

第2に、日持ちするものを選ぶことです。長期間保存ができるものであれば、急いで消費する必要が無いため、遺族の方たちも落ち着いて消費できます。

日持ちするものとしてはおせんべいやおまんじゅう、羊羹、クッキー、ゼリーなどがあります。これらの食べ物は個包装されてるものも多いので、消費するペースを調整しやすかったりお供えした後はみんなで分けたりしやすいため選ばれることが多いです。また、サイズの小さいお茶やジュースなどの飲み物も保管期間が長いためお供えの品におすすめです。反対に、生ものや賞味期限が短いものは避けましょう。これらは保管が大変な上、早く消費しなければならないため、遺族の方たちの負担となってしまいます。

遺族の方たちの負担にならないよう日持ちするものを選びましょう。個包装されている品だとまとめて消費する必要がなかったり、親戚や故人のお仏壇にお線香をあげに来て下さった方に分けたりもできるのできっと喜ばれるでしょう。