亡くなった人に話しかけてはいけないの？気になる理由や恋しいときの対処法

2024年10月26日

亡くなった人に話しかけることで、魂が成仏できなくなったり、残された人が前向きに生きることができなくなるという理由から、亡くなった人に話しかけるのはよくないとされることがあります。

大切な人を失った後、故人に向けて話しかけたい気持ちが湧いてくるのは自然なことです。しかし、「亡くなった人に話しかけるのは本当に良くないのだろうか？」と心配になる方も多いのではないでしょうか。大切な人を失ったときに、心の中で話しかけたり、なにか言葉をかけたくなるのは、自然な感情であり、問題はないといえます。

この記事では、「亡くなった人に話しかけてはいけないのか？」という疑問に対して、理由や背景を詳しく解説します。また、故人を恋しく感じたときに心を整理するための具体的な対処法についてもご紹介します。

亡くなった人に話しかけてはいけないの？

結論からお伝えすると、亡くなった人に話しかけることは問題ありません。

例えば、墓参りのときに故人に語りかけたという経験はないでしょうか？墓参りでお墓に手をあわせ、故人を懐かしんで感謝の思いを伝えたり、ご自身の近況を報告したりすることは一般的なことといえます。こうした例を考えてみても、亡くなった人に話しかけることは問題がないといえるでしょう。

大切な人を失った際に感じる「深い悲しみ」や「孤独感」「喪失感」といった感情を解消するために、亡くなった人に向けて話しかけることは心の整理を助けてくれることがあるのです。例えば、故人の名前を読んでみたり、心の中で思い出の出来事を語ったりすることが、自分自身と向き合う時間となることで、心の整理につながります。

心の中で故人との会話を続けることができるのは、自分の感情や思いを大切にする行為でもあるのです。亡くなった人が自分にとって大切な人であることを再確認しつつ、心おだやかに生き続けるために、故人に話しかけることをためらう必要はないといえるでしょう。

亡くなった人に話しかけるなと言われるのはなぜ？

亡くなった人に話しかけることについて、「よくない」という意見があるのは、文化や迷信、そして霊的な考え方による影響が強いといえます。一般的な背景として、次のような理由が挙げられます。

故人の成仏を妨げると考えられている
故人への執着が強くなってしまう

亡くなった人にいつまでも話しかけたり、想いを引きずり続けたりすることで、故人の魂が成仏できずに迷うのではないかという考え方があります。このような考え方から「亡くなった人に話しかけるのはよくない」とされるケースがあります。故人との関係が続くことで彼らがこの世に留まってしまうのではないかと心配されるのです。

一方で、故人に話しかけることが心の癒しや感情の整理につながるという意見もあります。例えば、故人を思い出し、その存在を求めて語りかけることで、自分の気持ちを整理し、少しずつ悲しみを和らげることができる場合もあります。そうした行為が故人の成仏を助けるとも考えられています。

また、故人への執着が強すぎると、生きている側の心が傷ついたままとなり、前向きに生きる力が失われる可能性があると言われることもあります。亡くなった人を心にとどめておくことは悪いことではありません。しかし、亡くなった人に話しかけ続けることで悲しみに浸りすぎてしまうことがあるのです。あなたを心配する周囲の人から見たときにも、亡くなった人に頻繁に話しかけている様子が、いつまでも悲しみを抱え込んでいると感じられることがあるのです。心配するあまり「話しかけるのは控えたら？」と勧められる場合もあります。

こういった理由から、亡くなった人に話しかけることがよくないとされる場合もありますが、無理に話しかけることを控える必要はありません。心の整理がつくまでは、適度に話しかけることで安心感を得られることが大切です。

亡くなった人に話しかけることの良し悪しは、個人の信念や価値観によると言えます。大切なのは、故人とのつながりをどう感じ、どのように向き合うかです。心の中で彼らを思い続けることで、あなた自身の心の平穏を保つことができるでしょう。

亡くなった人が恋しいときの対処法

大切な人をうしなったあと、生活を続けていく中で、亡くなった人が恋しくなる瞬間は必ず訪れます。

ここでは亡くなった人を恋しく思うときに実践できる、3つの対処法をご紹介します。「亡き人が恋しくつらい」と感じるときには、ここで紹介する対処法を実践してみてください。

方法１写真や年表など生きた証をまとめる

第一に、亡くなった人の写真や思い出の品を集めてアルバムや年表を作成することは、非常に有効な方法といえます。このアルバムを作ることで、故人との思い出を視覚的に整理し、振り返る良い機会になります。例えば、家族旅行や誕生日のお祝いの写真を選ぶと、その瞬間の楽しい思い出が蘇るでしょう。特に、笑顔があふれる写真や、特別なイベントでの一コマを選ぶと、当時の温かい気持ちを再確認できます。

また、アルバムには自分の感情や当時の思いを書き添えることで、さらに思い入れが深まります。たとえば、写真の横に「この時、私たちはこんなことを話していたよね」といったことや「あなたの笑顔が素敵だった」といったコメントを書くことで、故人とのつながりをより深く感じることができるでしょう。

写真をまとめるときには、年表を一緒に作成することをおすすめします。年表を作ることで故人の生きた証をライフヒストリーの形で残すことができるためです。写真と一緒に作成することで、生きた証をより強く感じることができるでしょう。

方法２家族や友達と思い出話をする

第二に、家族や友人と思い出話をすることも、亡くなった人が恋しくなったときにおすすめの方法です。故人について語り合うことで、新しいエピソードを聞くことができたり、故人に対する思いを共感しあったりすることができます。思い出を共有することは、心の中で故人を生かし続ける手段であり、孤独感を和らげる効果があります。友人や家族と一緒に思い出を語ることで、感情を共有し合い、互いに支え合うことができるのです。

故人の趣味や好きだったこと、思い出の場所などについて語り合うことで、より具体的にその人を思い出し、共に笑ったり涙を流したりする時間を持つことができ、故人を偲ぶ大切な時間となるでしょう。