妻を亡くした40〜50代男性の生き方に必要なこと|終活ですべきことは?
40代から50代の男性にとって妻と死別するのは言葉では表現できないほどの苦しみがあるはずです。いくら人生には、予期せぬ出来事が付き物とはいえ、あまりにも早すぎるパートナーの死に直面して、途方に暮れている人も少なくないでしょう。
実際のところ、妻を亡くした中年男性は、今度どのようなことを意識して生きるべきなのでしょうか?
この記事では、妻を亡くした40〜50代男性の生き方に必要なことについてまとめています。また、人生の終わりから今をより価値的に捉えるための終活についても言及しているので、参考にしてみてください。
妻を亡くした40〜50代男性の生き方に必要なこと
40〜50代男性があまりにも早すぎる妻との死別を経験したときに、これから人生をどのように過ごしていけばよいのでしょうか?
一概には言えませんが、ここでは4つの視点から生き方に必要なことを紹介しています。簡単に乗り越えられるような問題ではありませんが、自分の人生を考える参考にしてみてください。
その1 心の健康を維持する
第1に、何よりもまずは心の健康を維持することを大切にしましょう。
妻を亡くした後の悲しみや喪失感は計り知れないものがあります。そのような時期に、自分自身の心の健康を維持するセルフケアが非常に重要です。すぐに実践するのは難しいかもしれませんが、友達と食事をしたり、自然や芸術を鑑賞したりするなど自分にとって心地のよい時間を積極的に設けてみてください。
また、専門家のカウンセリングを受けることも選択肢のひとつです。心の健康が保たれなければ、これからの人生を考える余裕がなくなり、死別の悲しみと同時に生活が成り立たなくなる悪循環に陥ってしまいます。決して簡単なことではありませんが、まずは家族や友人とコミュニケーションを取る機会を増やすことから始めてみましょう。
その2 同じ経験を持つ人から話を聞く
第2に、自分と同じように妻と死別した経験のある人の話を聞いてみましょう。
社会全体で見たときに、自分と同じような経験をしている人たちは少なからずいるはずです。実際、当事者性のない人からの言葉には、死別に苦しみに対応できるほどの説得力はありません。だからこそ、似たような経験を持つ者同士が集まるコミュニティやグループを探して、話を聞いてみることをおすすめします。
新しいコミュニティを形成することで、孤独感を軽減し、共に前向きな人生を歩むためのサポートを受けることができる可能性があります。地域の支援団体やオンラインのグループなど、多様な形でのコミュニティが存在します。自分に合った場所を見つけて新しいつながりを築くことで、これからすべきことが見えてくるかもしれません。
その3 家族との関係を再構築する
第3に、家族との関係を再構築することも大切です。
当然、最も近くにいた夫の苦痛は計り知れません。けれども、あなたと同じように妻を大切していた家族がいることも忘れないでください。実際、娘や母親を失った側も同じくらい死別の苦しみを抱えているはずです。だからこそ、家族とのコミュニケーションを深めて、新しい絆を気づくことが重要になります。
家族全員で亡くなった妻を偲ぶ時間を持つことで、互いの気持ちを理解し合う良い機会になるはずです。もちろん、それぞれで心境は異なりますから、すぐにはうまくいかないこともあるかもしれません。それでも、あなたの妻を大切にしていた家族がバラバラになるのは悲しいことです。ゆっくりでもいいので、語らう時間を設けましょう。
その4 よりよく生きるために終活を始める
第4に、これからの人生をよりよく生きるために終活を始めるのもよいでしょう。
終活と聞くと、死ぬ前の準備と誤解する人もいます。しかし。その本質は「死」から逆算して「今」を後悔しないように生きる術なのです。いうまでもなく、死は突然に訪れるものです。「平均寿命」という考え方もありますが、だれが何歳で亡くなるのかは本来わからないことです。それを痛感しているのは、妻を亡くしたあなた自身だと思います。
だからこそ、「自分が家族や友人に何を残したいのか?」を考えながら、「これからどう生きたいのか?」という問いと向き合うことで人生の目的がよりクリアになるでしょう。
また、終活を早めに始めておくことで、自分の意志や希望を残しておけるので、家族に負担をかけないようにすることができます。具体的には、遺言の作成や葬儀のプランニング、資産の整理などが考えられます。そのほかにも、保険や資産の管理方法についても考慮することが大切です。近年では、無料で終活を始められるサービスもあるので、利用を検討してみるのもよいでしょう。
終活ですべきことは?
とはいえ、いざ終活を始めるといっても、何からやればよいのかわからない人たちも多いはずです。焦る必要はありませんが、まずは次に挙げる項目を少しずつ検討してみましょう。
40〜50代男性が終活でやるべきことリスト
- 遺言書の作成
- 資産の分配や後の世話を指示するための公正証書遺言や自筆証書遺言の作成。
- 生前贈与の検討
- 資産を生前に家族や親しい人に贈ることで、相続税の節税やトラブルの回避。
- 葬儀のプランニング
- 葬儀の形式、費用、場所などの希望を明確にし、事前に葬儀社との契約を検討。
- 墓地の選定
- 既に家族の墓がある場合や新しく墓地を選ぶ場合の手続き。
- 保険の見直し
- 人生の異なる段階での保険ニーズの変化に合わせて、保険内容の見直しや新しい保険の加入。
- 医療や介護に関する意向の確認
- 重度の病気や障害時の治療方針、終末期の医療に関する意向を家族や医師と共有。
- 財産や資産の整理
- 銀行口座、不動産、株式などの資産の一覧を作成し、家族に伝える。
- デジタル資産の管理
- SNSアカウントや電子メール、オンラインバンキングの情報を整理し、遺族がアクセスできるようにする。
- 後見人の選定
- 認知症などで判断能力が低下した場合のために、後見人や信託を検討。
- 家族とのコミュニケーション
- 終活に関する意向や希望を家族と共有し、理解を深める。
- 借金や債務の整理
- 借金の残高や返済計画を確認し、家族に伝える。
- 趣味やコレクションの整理
- 大切なコレクションや趣味の品をどのように扱ってほしいかの指示。
- 生活の記録や手紙の残し方
- 自分の人生の思い出や家族へのメッセージを手紙やビデオで残す。
- 終活セミナーや相談
- 終活に関する専門家のセミナーや相談を活用して、正確な情報を得る。
残された人生を大切にする
妻を亡くした40代〜50代の男性が直面する喪失感や悲しみは、計り知れないものです。今まで当たり前のように過ごしていた毎日が突如として無くなってしまうのですから、簡単に乗り越えることなんてできません。それが自然なことだと思います。
しかし、自分が妻の立場になった時に死別をきっかけにパートナーが不幸になるのは辛いことなはずです。忘れてはいけないことは、大切な人もまたあなたを大切にしていたということです。だからこそ、悲しみのどん底にいても、不幸になってはいけないと思います。
悲しみは悲しみのままで、割り切れないままでよいから自分を大切にすることまで放棄してはいけません。残された人生をパートナーを思いながら生きるなかで、きっと新しい人生の兆しが見えてくるはずです。希望を失わずに、今できることを少しずつ始めてみてください。
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