喪中はがきを友達に送るときの文例と注意点|カジュアルな表現はNG?
年末の挨拶を控えることを伝える喪中はがきですが、親しい友人にも喪中はがきを送るべきか?どんな風に書けばいいのか?と迷う方も多いのではないでしょうか。
葬儀に参列頂いた方にも出すべきなのか?これも大きな疑問ですよね。結論からいうと葬儀に参列頂いた方にも喪中はがきは出します。
喪中はがきは故人の死去を知らせるものではなく、新年の挨拶を控えることを伝えるものなので、葬儀に参列頂いた方にも出すものです。
この記事では、友達に送る喪中はがきの文例、注意点、カジュアルな表現の是非、喪中期間中の過ごし方、そして喪に服する文化について詳しく解説します。
喪中はがきを友達に送るときの文例
喪中はがきは、年賀欠礼の挨拶状です。悲しみを伝えつつ、新年の挨拶を控える旨を丁寧に伝えることが大切です。
故人のみが友達であった場合には葬儀で喪主を務めた人物が喪中はがきの差出人としてふさわしいですが、面識があるのであれば遺族のどなたが出しても失礼はありません。
友人宛であっても、故人との関係性によって、文章や添え書きの内容を調整しながら、過度にカジュアルな表現は避け、落ち着いたトーンで書きましょう。
ここでは、故人と友人の関係性別に例文を3つ紹介します。参考にしてください。
例文1
謹啓
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
さて昨年〇月に〇〇(続柄)〇〇が逝去いたしました。
つきましては年末年始のご挨拶を控えさせていただきます。
本来ならば皆様に直接ご報告申し上げるべきところですが、
書面にて失礼いたします。
皆様の変わらぬご厚誼に深く感謝申し上げますとともに
来る年も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
令和〇年〇月
〇〇 〇〇
例文2
謹啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて昨年〇月に〇〇(続柄)〇〇が逝去いたしましたので、
年末年始のご挨拶を控えさせていただきます。
本来ならば直接ご報告申し上げるべきところ書面にて失礼いたします。
来年も変わらぬご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
令和〇年〇月
〇〇 〇〇
例文3
謹啓
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
昨年〇月に〇〇(続柄)〇〇が逝去いたしました。
生前中は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
つきましては年末年始のご挨拶を控えさせていただきます。
本来ならば直接ご報告申し上げるべきところ書面にて失礼いたします。
〇〇も皆様との楽しい思い出を大切にしておりました。
私も〇〇の遺志を継ぎたく今後とも変わらぬお付き合いのほど
よろしくお願い申し上げます。
敬具
令和〇年〇月
〇〇 〇〇
喪中はがきを友達に出すときの注意点
喪中はがきは、例年年賀状を出しているすべての人に出し、「年賀欠礼の理由や内容」を記載する挨拶状なので、近況報告などの記載はしません。
また、相手が年賀状の用意をするよりも前に、喪中はがきを届け、新年のご挨拶を辞退する旨を伝える必要があり、11月中旬から12月初旬までには届くよう発送します。
こういった、喪中はがきを出すときのマナーをふまえ、ここでは喪中はがきの内容について注意点を紹介します。
注意点1:忌み言葉・重ね言葉を使わない
喪中はがきでは、「重ね重ね」「再三」などの重ね言葉や、「死亡」「死去」などの直接的な忌み言葉は避け、「逝去」「他界」といった婉曲的な表現を用います。
「迷う」「苦しむ」といった不幸が続くことを連想させる言葉も避けましょう。
避ける言葉ばかり出てくると、どう書いてよいのか筆が進まなくなりますよね。下記の言い換えの例を参考に、不自然でなく気持ちのこもった文章を作成しましょう。
言い換えの例
忌み言葉 | 言い換えの例 |
重ね重ね | 加えて、深く |
追って | 後ほど |
度々、しばしば | しげく、よく |
引き続き | これからも |
再三 | 頻繁に、大変多く |
重々 | 十分に、どうぞ |
死亡、死去 | ご逝去 |
生きている | ご健在、ご存命 |
葬式 | 葬儀、告別式 |
注意点2:句読点を使用しない
喪中はがきは、句読点を使用しないのが一般的です。これは、不幸が続くことを連想させないためです。句読点は省略し、改行で文章を区切りましょう。
句読点を使用した文章は一般市民が新聞などを読むようになった明治以降に「誰でも読みやすいように」制定されたものであり、相手が「読めない」ことを前提にした文章である。
といった認識から、相手に失礼な文とされた事も背景にあります。挨拶状、表彰状、といった昔からある形式的な手紙にも句読点はつけません。
文脈が読みにくい場合や、改行が多くなりすぎる場合には、空白を使用してバランスを取ってもよいでしょう。
ただし、現在では句読点を使用するケースも増えてきています。迷う場合は、印刷業者に相談するか、自分の判断で決めても大きな問題はありません。
注意点3:明るい色のインクや華美なデザインは避ける
喪中はがきは、故人を偲び、悲しみに暮れていることを伝えるものです。そのため、黒インクを使用し、シンプルなデザインのものを選びましょう。
はがきのデザインは昨今ではカラーのものも出ており、必ずしも白黒にこだわる必要はありません。淡いカラー印刷のものも柔らかな印象が人気を得ています。
縁起の良い蓮の花や、胡蝶蘭の花、気品のある菊、厳かな印象のある百合などのデザインが好まれています。
ただし、カラフルなインクや華美なイラスト、写真などは避け、文章は縦書きで書くことで丁寧な印象の喪中はがきを作成しましょう。
喪中はがきをカジュアルに表現するのはNGなのか?
基本的には、落ち着いたトーンで書くことが望ましいです。しかし、故人や自分、そして友人との関係性によっては、少し砕けた表現を用いても問題ありません。
故人と友人が非常に親しい間柄であったり、普段からフランクなやり取りをしている友人であれば、堅苦しすぎる表現よりも、自然体で気持ちのこもったメッセージの方が相手に伝わることもあります。
添え書きとして、お礼の気持ちを綴ることも、昨今ではマナー違反とは言われません。
ただし、忌み言葉や重ね言葉の使用、過度にカジュアルな絵柄やデザインは避けましょう。
喪中なのに友達と遊びに行ってよいのか?
喪中は、故人を偲び、静かに過ごす期間です。お祝い事や華やかなイベントへの参加は控えるのが一般的ですが、日常生活まで制限する必要はありません。
友人との約束も、内容によっては問題ありません。静かに過ごせる場所で会ったり、近況報告などをする程度であれば、失礼には当たりません。
ただし、お祝いムードの場や、大人数で騒ぐような場への参加は避けましょう。迷う場合は、相手に喪中であることを伝え、相手の意向を尊重することが大切です。
喪に服す喪中の期間は、地域や宗教などによって違いますが、一般的には故人がなくなってから四十九日とされていますので、ひとつの目安にしましょう。
喪に服する文化を考えてみよう
喪に服する期間や方法は、時代や地域、宗教、個人の考え方によって異なりますが、日本の伝統的な葬送文化と言えます。なりたちは神道と仏教の考え方が混ざり合わさって形成しており、かつては、厳しい決まり事がありましたが、現代では簡略化されつつあります。
大切なのは、故人を偲び、感謝の気持ちを表すことです。形式にとらわれすぎることなく、自分の気持ちに正直に、故人を悼む時間を大切にしましょう。喪中はがきは、故人の死を悼む気持ちを表すと同時に、相手への配慮を示す大切なコミュニケーションツールです。
この記事を参考に、状況に合った適切な喪中はがきを作成し、大切な友人へ真心を伝えましょう。
コメント