親の死が近いときにすべきこと|必要な心構えと立ち直る期間を考察
親の死が近いと感じる時、何をしたらいいか悩む人もいるでしょう。残された時間が少ない場合、自分に何ができるのか、何をしてあげられるのか考える人は多いはずです。
しかし、死が近いということは身体が弱っており、遠出や旅行といった負担がかかることはしてあげられません。できること、してあげられることは限られてしまいます。
ここでは、親の死が近いときにすべきことや親の死に対する必要な心構え、親の死から立ち直る期間について紹介します。
親の死が近いときにすべきこと
親の死が近いときになにをしたらいいか考える人もいるでしょう。親に対して自分に何ができるのか、何をしてあげられるのか兄弟で話したり、親戚に相談したりすることもあると思います。
ここでは親の死が近いときにすべきことを5つ紹介します。
その1 会う時間をつくる
第1に、会う時間をつくることです。親が亡くなったときに、後悔の気持ちを少なくできます。
親が亡くなった後に「もっと一緒にいればよかった」と後悔する人もいるはずです。そのような思いをしないためにも親と会う機会を作ってください。「まだ元気だから」といって先延ばしにするのではなく、「元気なうちに」親孝行をたくさんしてあげましょう。先延ばしにしてしまうと、気が付いたら一緒に思い出を作る機会を逃してしまうかもしれません。
家を出ている場合は、実家に帰省する機会を増やしてあげてください。あまり会えない子供に会えるだけでも親は嬉しいものです。遠方に居て帰省する時間が取れない場合はビデオ通話も良いでしょう。直接会えなくても元気な顔を見せることで親を喜ばせてあげられます。
一緒に暮らしている場合はできるだけ一緒に過ごす時間を作ることを意識してください。食事を一緒に取ったり、空いている時間を一緒に過ごしたりして親との時間を大切にしましょう。
親はいずれ自分よりも先に旅立ってしまいます。その際、悔いが残らないように一緒に過ごす時間を作り、幸せな思い出を残してください。
その2 思い出を一緒に振り返る
第2に、思い出を一緒に振り返ることです。そうすることで、親の死を受け入れる準備ができます。
親との思い出には、楽しかった思い出や嬉しかった思い出がたくさんあるでしょう。中には、当時は嫌だったことも、今では笑い話にできる思い出もあるかもしれません。写真や動画、思い出の品などがあれば、より鮮明に思い出を振り返れます。一緒に振り返ることで、思い出の中の親の姿と今の親の姿の違いを明確に認識し、お別れの時が近いことを受け入れやすくなるでしょう。
また、親と一緒に思い出を振り返ることで、その時は言えなかった素直な気持ちを伝えることができます。当時は気恥ずかしかったり、意地を張ったりしてしまって言えなかったことでも、時間が経った今だからこそ言えることもあるはずです。
一緒に思い出を振り返ることは、親の死を受け入れるためにもとても大切なことです。そして、もし伝えられていない想いがあれば、一緒に伝えてあげてください。
その3 感謝の気持ちを伝える
第3に、感謝の気持ちを伝えることです。親が亡くなった後、「感謝の気持ちを伝えることができなかった」と後悔した経験がある人は多いでしょう。
身近な存在だからこそ、直接感謝を伝えることに恥ずかしさを感じる気持ちもわかります。しかし、伝えないままだと感謝を伝える機会を逃してしまい、悔いが残ってしまう可能性が高いです。
直接伝えることが恥ずかしい場合は親孝行や手紙などで感謝を伝える方法もあります。旅先で一緒においしいごはんを食べたり、観光地を巡ったりして楽しい思い出を作って親孝行してあげてください。言葉にして感謝を伝えることができなくても、きっとあなたの想いは伝わるでしょう。
旅行に行く時間が取りづらかったり、あまり余裕がない場合は手紙やメッセージで感謝を伝えるのも1つの方法です。普段想っていても言えないことや、直接伝えるのは恥ずかしいと思っていることでも手紙だと素直に伝えることができます。
その4 元気な姿を写真に残す
第4に、元気な姿を写真に残すことです。大人になるにつれて家族写真を撮る機会が減っていきます。
子供が小さいころは誕生日や学校行事など、親と一緒に写真を撮る機会が多かったはずです。しかし、大人になるにつれてそういった行事が少なくなり自然と一緒に写真を撮る機会が少なくなっていきます。
親の死期が近づいてきていることに気付き、少しでも思い出に残そうと写真を撮り出す人もいるでしょう。ですが、その場合残せるのは元気のない弱ったものばかりになってしまいます。せっかく残すのなら、後で写真を見返したときに悲しみが込み上げる写真より、元気で笑顔になれる写真の方が良い思い出になります。親が元気なうちからたくさんの思い出を残せるよう写真を撮っていってください。
今ではスマートフォンのカメラの性能も高く手軽に良い写真や動画を撮ることが可能です。高価なカメラやプロのカメラマンでなくても鮮やかできれいな写真や動画を残すことができます。
皆さんも写真を残すなら弱弱しい姿よりも元気な姿を残してあげたいはずです。特別なイベントがなくても親の元気な写真を残し大切な思い出の1ページにしていってください。
その5 やり残したことは無いか聞く
第5に、やり残したことは無いか聞くことです。亡くなる際、後悔するのは子供だけではありません。
親が亡くなった際、「もっと一緒にいればよかった」「感謝を伝えたかった」と後悔する人は多いでしょう。ですが、親も同じように後悔していることがあるかもしれません。子供としたかったこと、子供にしてあげたかったことがきっとあるでしょう。
もっと子供と一緒に旅行に行きたかったかもしれません。お酒が飲める歳であれば、一緒に晩酌をしたかったと思うこともあったでしょう。ですが、気を使ってなかなか言い出せなかったり、忙しそうにしていて迷惑をかけたくなかったりして我慢していることはたくさんあると思います。
親とのお別れは必ず訪れます。その際、後悔が残らないようにやり残したこと、やっておきたいことが無いか聞いておきましょう。そして、できる限りで構いませんので叶えてあげてください。
親の死に対する必要な心構え
親の死が近いことを知った際、お別れを受け入れるためにどういった心構えを持てばいいか悩む人もいるでしょう。大切な家族の死をきちんと受け止められるように準備する人も多いはずです。ここでは親の死に対する必要な心構えについて3つ紹介します。
その1 親の死は必ず迎えるものだと意識する
はじめに、親の死は必ず迎えるものだと意識することです。親の死に関わらず、大切な人が亡くなったとき、それを受け止め乗り越えるには「生きているものは平等に死を迎える」という事実を受け入れるところから始まります。
親が亡くなってすぐは、その現実を受け入れることができず目をそむけてしまう人も多いでしょう。「きっと夢に違いない」と現実から逃げてしまいたい気持ちもよくわかります。
しかし、いつまでも現実から目をそらしたままではいられません。いずれ現実を受け入れなければならない時は必ず来ます。親とのお別れは必ず訪れるものだと理解し受け入れることは、前を向いて歩き出すためにもとても大切なことです。
その2 自分1人で抱え込まない
続いて、自分1人で抱え込まないことです。人が1人でできることには限界があります。
周りに心配かけないように、迷惑をかけないように1人でどうにかしようとする人もいるでしょう。それは決して悪いことではありません。ですが、1人ではどうにもならないことはあります。その時は遠慮せず周りの人たちに頼ってください。
家族や友人たちに頼り、助けてもらうことは親を亡くした悲しみから立ち直るきっかけにもなります。助けを求めることは悪いことでも恥ずかしいことではありません。
もし周りに頼れる人がいない場合や、身近な人だからこそ頼ることに抵抗がある場合は専門家に相談するのも1つの方法です。自分1人ではどうにもできないときは素直に周りの人に頼ってください。
その3 悲しみを我慢しない
最後に、悲しみを我慢しないように意識することです。我慢してため込んでしまうと身体を壊す可能性があります。
大切な家族が亡くなり、悲しい気持ちを抱くことは当然のことです。特に、親は自分にとって一番身近でかけがえのない存在の人もいるでしょう。ですが、周りに心配をかけないように悲しい気持ちを我慢していると、かえって体調を崩したり、鬱のような状態になることがあります。
悲しいとき、辛いときは我慢せず、思いっきり泣いてマイナスな感情を吐き出してください。無理に我慢し抱え込んでしまうと体調を崩したり、精神が不安定になったりしてしまう危険性があります。
悲しい気持ちや辛い気持ちはため込まず家族や友人に打ち明けてください。。そうすることで、気持ちの整理も付きやすくなります。
親の死から立ち直る期間
親を亡くした悲しみから立ち直るのに、どれくらい時間が必要か気になる人もいるでしょう。親の死から立ち直るために必要な期間は人によって個人差があります。
親とのお別れを受け止め前を向くのが早い人もいれば、立ち上がるために長い時間が必要な人もいます。気持ちの整理や切り替えが早い人、親が亡くなったことをなかなか受け入れられない人などさまざまです。自分のペースで気持ちの整理をつけ、前を向いていきましょう。
立ち直る際に注意したいことは周りと比べないことです。周りの人と比べて立ち直るのが早かった場合、薄情な人間なのではないかと自分を責めたり、追い詰めたりしてしまう可能性があります。ですが、その必要はありません。親の死を受け入れ前を向くまでに必要な時間がほんの少しだけ周りの人より少なかっただけです。決して薄情な人ではありません。
逆に周りの人と比べて遅かった場合、他の人たちに心配をかけないよう早く立ち直ろうと焦ってしまうことがあります。早く立ち直ろうとするのは危険です。体調を崩したり、鬱のような状態になったりする恐れがあります。ゆっくりでいいので親の死を受け止め少しずつ前を向いていきましょう。
大切な家族を亡くした悲しみは計り知れないでしょう。悲しみから立ち直るのにも、相応の時間が必要です。焦らず自分のペースで乗り越えていってください。
親の死で性格が変わる人もいる
親を亡くしたことをきっかけに性格が変わってしまう人もいるでしょう。親の死は人生の中でも大きなターニングポイントになります。
人によって個人差はありますが、親の死をきっかけに性格が変わる人も少なくありません。何もできなかった後悔や無力感から自信を無くしてしまったり、大切な家族を失くした悲しみから周りの人たちとの関わりが少なくなったりすることがあります。
一方で、親の死をきっかけに価値観が大きく変わったり、感謝の気持ちを持つようになることもあります。辛く悲しい経験をすることで人生について真剣に向き合うようになり、今までにはなかった価値観を得る場合があります。また、親が亡くなって初めてその偉大さに気付き、改めて感謝の気持ちを持つ人もいるでしょう。
親の死を経験することで、自分の内面や周囲の環境にさまざまな影響があるでしょう。性格が変わる人もいます。どんな影響があっても決して自分を責めず、受け入れてください。
後悔する前に親孝行をしよう
親が亡くなった際、「もっと早くに親孝行しておけばよかった」と後悔することがないようにしましょう。親はいつまでも元気でいてくれるわけではありません。
「まだ元気だから」と先延ばしにしてしまうと親孝行する機会を永遠に失ってしまいます。「きちんと感謝を伝えたかった」、「もっと一緒に居たかった」と悔いが残らないよう先延ばしにすることなく、早いうちから親孝行をしてあげてください。
顔を見せたり何気ない会話をするだけでも構いません。それだけでも親としてはとても嬉しいはずです。感謝を伝えるのが気恥ずかしいときは手紙やメッセージを送ると良いでしょう。直接伝えるよりも素直な気持ちを伝えられます。誕生日にプレゼントを渡すのもおすすめです。余裕があれば一緒に旅行に行き素敵な思い出を作ってあげてください。
病気や事故などで自分が先に旅立ってしまわない限り、必ず親との別れを迎えます。その時、後悔しながら見送ることが無いようにしてください。
コメント