ペットロスになりやすい人の特徴4選|悲しみに寄り添うためにすべきこと
みなさんのなかには、愛犬や愛猫が寿命を迎えたときのことを想像して不安を覚えている人たちもいるかもしれません。だれだって一緒に過ごしてきたペットが亡くなってしまえば、深い悲しみを覚えるのは自然なことです。それでも、ペットロスで日常生活が成り立たなくなるのは心配ですよね。
この記事では、ペットロスになりやすい人の特徴について考察しています。また、家族や友人がペットロスで苦しんでいるときにすべきことも紹介しているので、自分の身近で愛犬や愛猫を亡くした人がいる方は参考にしてください。
ペットロスとは?
ペットロスとは、愛犬や愛猫などのペットとの死別をきっかけに精神的・身体的不調が発生することを意味しています。鹿児島県医師会のHPでは、ペットロスについて次のように説明されています。
「Pet Loss」を直訳すればペットを失うことで、「ペットロス症候群」とはそのダメージによる精神的・身体的不調を指します。当然、大変な悲しみにおそわれ、泣いたり、不眠、食欲不振、食べ過ぎ、胃の痛み、息苦しさ、疲労感、身体の痛みなど、さまざまな症状が現れます。
「別離」への心の予行演習-ペットロス症候群-より引用
ペットロスになりやすい人の特徴4選
それでは、ペットロスになりやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか?
一概には言えませんが、ここでは4つの視点から説明していきます。
特徴1 一人暮らしで家族がいない
1つ目は、一人暮らしで家族がいない人の場合、ペットロスになりやすい可能性があります。
一人暮らしの方にとって、ペットの存在は大きく、唯一無二の家族であるといえます。ペットとの生活は癒しを与えてくれたり、多くの気付きをもたらすことでしょう。辛い時には寄り添ってくれたり、ペットの存在が生きがいになっている場合もあります。
そんなペットとの別れは、想像以上に喪失感が大きくなってしまうかもしれません。一人暮らしでペットを亡くした場合、ペット以外の家族がいる状況よりも孤独感が強くなると考えられます。
単身者にとってペットは唯一の家族であり、子どものいない夫婦にとってペットは我が子のような存在です。また、長年一緒に過ごしてきた人にとってペットは兄弟のような存在にもなるでしょう。家族のひとりとも言えるペットとの死別は非常にストレスフルな経験となるので心身に大きな不調をもたらすのです。
ペットロス症候群(グリーフケア含む)
特徴2 真面目な性格で責任感が強い
2つ目に、真面目な性格で責任感が強い方は、ペットロスになりやすいといわれています。
真面目な性格の方は、何か問題があったときに、自分にできることがあったのではと考えます。ペットの死に対しても、「もっと早く病院に連れて行けばよかった」などと強い後悔の念が残る場合があります。そして責任感が強い方は、「ペットが亡くなったのは自分のせいだ」などと罪悪感を持ち続けている傾向があります。
このように、真面目で責任感の強い方は、自分を責めやすく罪悪感を持ち続けてしまうことで、ペットロスになりやすいといえます。
今のこんな状態になってしまったのはあれを与えてしまった自分のせいだ、病院でうった注射が悪さをしたに違いないと自身も含め何かのせいにしてしまいたくなるのが怒りの段階です。
ペットロスについて知っておきたいこと
特徴3 感情の起伏が激しく感受性が豊か
3つ目は、感情の起伏が激しく感受性が豊かな方で、ペットロスになる可能性が高いです。
感情の起伏が激しく感受性が豊かな方は、自分以外の感情に共感しやすい特徴があります。病気などで苦しんでいる時のペットの感情を想像していたり、ペットが亡くなった時の悲しみを人一倍感じていることがあるのです。
そしていつまでも悲しみの感情から抜け出せないと、精神的に不安定な状態に陥ります。このような状態が続くと、ペットロスになりやすくなります。
ペットロスの最も一般的な症状は、深い悲しみや喪失感です。ペットとの強い絆は、その喪失を特に心の痛みとして、深い悲しみとして感じることがあります。この悲しみは、時に過度な泣きやすさ、抑うつ感、無力感として表れることもあります。
ペットロスに苦しむ人たちに精神科医が伝えたいこと
特徴4 ペットの死に納得していない
4つ目は、ペットの死に納得していない場合で、ペットロスになる可能性があります。
納得のできない治療方法で亡くなってしまったり、ペットの死をどうしても信じたくないという状況はとても辛いものです。ペットの死を受け入れないという状態は、悲しむことから離れられるかもしれません。しかし、そんな状態も長くは続かず、ペットがいないという現実と向き合う時が来るのです。
ペットの死と向き合わないという選択は、ペットロスを長期化させる原因になるともいわれています。
ペットと別れるなんて信じられない。こんな事があるはずない。こんな状況はウソだ!と強く思うようになります。目の前に起きている出来事を無かったことにしたいと考えてしまうなど、現実から目を背けたくなる状況です。
ペットロスについて知っておきたいこと
ペットロスの悲しみに寄り添うにはどうすればよい?
ペットロスの悲しみと、どう向き合えばいいのか知りたいですよね。
ここでは悲しみに寄り添う方法3つと、ペットロスで辛い人と接する時の注意点について伝えていきます。
その1 悲しみの感情をがまんしない
1つ目は、悲しみの感情をがまんしないことです。
ペットロスを経験した多くの人は、悲しいという感情をがまんする人が多いといわれています。感情をがまんしてもなくなることはなく、心の中で悲しみを持ち続けることになります。
感情のままに悲しみの涙を流したり、悲しい気持ちを言葉にすることで、自分の気持ちを解放でき、心が元気になる効果があるといわれています。
その2 周囲の人に相談をする
2つ目は、信頼できる周囲の人に相談をすることです。
どんな悩みも、ひとりで悩んだままでは、改善するのは難しいですよね。相談相手は誰でもいいわけでなく、ペットロスについて理解のある方や、信頼できる方にしましょう。ペットロスの経験がある人などに相談してみると、新たな気付きがあるかもしれません。
ただ話を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなるものです。ひとりで悩んで塞ぎこまないように、気をつけましょう。
その3 ペットとの思い出を振り返る
3つ目は、大切なペットとの思い出を振り返ることです。
ペットを思い出すだけで、涙が出てしまうなど辛いようでしたら、無理にすることではありません。
辛い状況が落ち着いてきたら、楽しかった出来事を思い出してみたり、写真を見返してみましょう。しあわせな気持ちを思い出すと、精神的に安定する効果があるといわれています。
ペットロスで辛い人と接するときの注意点
それでは、ペットロスで辛いと感じている人とのコミュニケーションするときには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
ここでは、大きく3つの気を付けるべきことを紹介していきます。
注意1 経験がないのに共感しない
第1に、ペットを亡くした経験がないのにもかかわらず、飼い主に共感を示す行為はやめましょう。
いうまでもなく、ペットロスの苦しみは経験した人にしかわかりません。それにもかかわらず、「辛いよね。わかるよ」と言われても、相手からすれば「あなたに何がわかるのか」と疑念を抱かせてしまうおそれがあります。
相手を励ましたい気持ちは理解できますが、わからないことを無理に理解したような素振りを見せる必要はありません。大切なことは「あなたを心配している」という真心を持ったうえで接してあげることなのです。
注意2 無理に元気づける必要はない
第2に、ペットロスで悲しんでいるからといって無理に励ます必要はありません。
ペットロスから立ち直る期間は人によって異なります。また、愛犬や愛猫との死別に対する向き合い方に答えがない以上、元気にならければいけないことはないのです。人によっては、「ペットロスで落ち込んでいてはだめだ」と焦りを感じてしまい、余計に状況が悪化してしまうかもしれません。
第三者ができることは、励ましの言葉だけではなく相手の気持ちを想像し、気持ちに寄り添うことです。
注意3 自分の体験談を押し付けない
3点目は、自分の体験談を相手に押し付けないことです。
自分が経験してきてよかったことは、相手にも役立つと思いますよね。しかし、相手にとっては、合わないと感じるかもしれません。合わないことを無理に押し付けると、信頼関係が崩れてしまうこともあります。
自分の体験談は自分事として、相手に押し付けることはやめましょう。
ペットロスの悲しみは人それぞれで違う
ペットとの死別に伴う悲しみは人によって異なります。そのため、第三者の勝手な視点で相手の苦しみを評価するのは、本人の気持ちを蔑ろにするおそれがあります。だからこそ、勝手な判断で他人の気持ちを解釈するのは、相手を傷つけることにもなりかねません。
大切なことは、現時点でペットを失って悲しんでいる人がいる気持ちに寄り添うことです。理解することも大切ですが、その人を思いやる気持ちを優先してコミュニケーションしない限り、落ち込んでいる人の心を開くことはできないでしょう。
ペットロスで苦しむ家族を前にして戸惑う人もいるかもしれませんが、相手との一緒に時間を過ごしていくなかで、どれだけペットが大きな存在だったのかを知ることもできるはずです。決めつけるのではなく、ありのまま感じている人の心と向き合ってみてください。
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