【HEROES HISTORY#249】柳生宗矩

柳生宗矩は、江戸時代の著名な剣術家で、柳生派剣術の祖とされています。彼は1571年に生まれ、1646年5月11日に73歳で亡くなりました。彼の生涯は戦国時代から江戸時代初期にかけての動乱の時代を生き抜いた剣豪の一生を象徴しています。

柳生宗矩の生涯

1571年の春、嵩山のふもとにある柳生の地に、剣の神と称えられる男、柳生宗矩が誕生しました。彼は柳生家の出身で、幼少期から一族の剣術を叩き込まれました。その卓越した剣術と聡明な頭脳が、徳川家光の目に留まり、16歳で江戸城に仕えるようになります。

剣術の指南役として、家光の護衛を務める傍ら、その絶世の剣技を磨き上げ、新陰流剣術の完成者と称されるようになりました。その技は、対戦相手が剣を抜く前に敵を制するという、「無剣取り」を得意とするもので、それは彼の人格や哲学を反映していました。

柳生宗矩の最期

彼の生涯は、剣とともにあり、剣を通じて哲学を追求しました。厳しい修行と対決、そして時には命を賭けた闘いの中で、柳生宗矩は「剣は殺すためではなく、人を護るためのもの」という信念を確立しました。

1646年、柳生宗矩は73歳でこの世を去りました。その最期は、家族と共に過ごす静かなものであり、武士としての生涯を閉じました。彼の墓は嵩山の麓に建てられ、訪れる人々に彼の生きざまと剣の哲学を語り続けています。柳生宗矩の人生は、剣と哲学、そして忍耐を通じて、人間の尊厳と人生の意義を追求するものでした。彼は、生涯を通じて剣術の精神を磨き、その精神は今もなお、多くの人々に影響を与えています。

柳生宗矩の格言

「小才は縁に出合って縁に気づかず、中才は縁に気づいて縁を生かさず、大才は袖すり合った縁をも生かす」

「小才は縁に出合って縁に気づかず、中才は縁に気づいて縁を生かさず、大才は袖すり合った縁をも生かす」。この言葉は、柳生宗矩が剣術だけでなく、人生そのものに対して持っていた深遠な洞察を端的に表現しています。

縁とは、人と人との出会いや結びつき、またはそれによって生じる機会や可能性を指します。柳生宗矩は、その縁をどれだけ見つけ、そして活用できるかが人間の才能と成果を決定すると認識していました。小才は縁を見過ごし、中才は縁を活用することができず、大才は最小の縁まで見つけ出し、活用することができるという。

宗矩のこの言葉は、彼自身が人間関係を築き、数々の戦闘や困難を乗り越えてきた経験から生まれたものです。彼の人生と剣術の道は、常に自己を超え、人々との縁を大切にするという彼の信念に支えられていました。この格言は、柳生宗矩の哲学と人間性を色濃く反映しており、彼の人生を象徴する言葉と言えるでしょう。