【HEROES HISTORY#211】島津斉彬

島津斉彬は、江戸時代後期の薩摩藩主で、幕末の日本の近代化に重要な役割を果たした人物です。彼は1809年4月28日に生まれ、1858年8月24日に亡くなりました。彼の生涯は66年に及び、その間に日本の近代化を推進する多くの改革を行いました。

島津斉彬の生涯

幕末の日本、大政奉還が迫る中、その流れを見越した一人の男が存在した。それが、島津斉彬である。生まれは1809年、薩摩国鹿児島城下。家族からの期待も大きく、島津氏の世継ぎとして厳しい教育を受け、幼少期から才気溢れる人物となっていった。

幕末の混乱という苛酷な時代を生き抜くために、斉彬は内政改革に力を注いだ。西洋の科学技術を取り入れ、薩摩藩の産業を革新しようとしたのだ。ガラス工芸、洋式鉄砲製造、西洋式軍艦の建造に力を入れ、財政改革を推進。その独自の繁栄策が「薩摩の英傑」と称される所以である。

島津斉彬の最期

そして、斉彬が見ていた時代の転換期が訪れる。安政4年（1857年）、斉彬は病に倒れる。だが、その寝床からも未来の日本のために尽力し続けた。薩摩藩の発展だけでなく、日本全国の将来を見据え、幕府に対する忠誠と尊皇の思想を持ち続けた。

斉彬の最期は1858年、寿命を全うした形ではなかった。病により倒れてから、病床での闘病生活が続いていたが、彼の意志は病魔に屈することはなかった。斉彬の思想は彼の後継者に受け継がれ、明治維新の礎となった。

「天下布武」の紋章が刻まれた薩摩藩の旗下で、斉彬は日本の近代化を夢見続けた。その精神と行動力は、新時代を生きる我々にとって学ぶべき点が多い。彼の最期は静かなものであったが、その志は薩摩から全国へ、そして新時代へと広がっていった。

島津斉彬の格言

君主は愛憎で人を判断してはならない

斉彬の格言、「君主は愛憎で人を判断してはならない」は、彼の統治思想の核心を示すものである。公正さと冷静さを重んじるこの言葉は、彼が目指した理想の統治者像を描き出す。

斉彬は自身が置かれた立場を理解し、情感に流されることなく、理性的に判断することの重要性を説いた。君主とは情熱や偏見に左右されず、公正さをもって国を導く存在であるべきだと。それは、公私混同のない統治が求められる今日でも、重要な教訓である。

この格言は、また斉彬の実践精神を示すものでもある。斉彬は自身の言葉を信じ、冷静な判断を持続し、公平な統治を実現するために努力した。島津斉彬の言葉は、統治者だけでなく、我々一人ひとりにとっても価値ある教えとなっている。