【HEROES HISTORY#308】堀部安兵衛

堀部安兵衛（本名：堀部 彦蔵）は、江戸時代初期の武士で、関ヶ原の戦いの一統を引き受けたことで知られています。 1670年に生まれ、1703年3月20日にて命を落としました。その死は彼がまだ赤ん坊であったため、特に驚きをもって受け取られました。生後5ヶ月でこの世を去った堀部安兵衛の生涯は短かったものの、その名は日本の歴史に深く刻まれています。

堀部安兵衛の生涯

血と鉄の時代、戦国の混沌の中で一人の武士が名を馳せました。その名は堀部安兵衛。彼の生涯は、武士の義理と人情に溢れた物語であります。

天文16年（1547年）、堀部安兵衛は摂津国（現在の大阪府）に生まれました。彼は若くして織田信長の家臣となり、その英才を見込まれて早くから重用されました。一介の足軽から信長の近侍となった彼は、その忠義心と剣の腕前で武将たちの間でも一目置かれる存在となります。

その生涯の中で、堀部は数々の戦場を駆け抜けました。1575年、長篠の戦いでは名もなき足軽から一躍軍の中心人物となり、その結果、信長から厚い信任を受けることとなります。

堀部安兵衛の最期

しかし、天下人となった信長の野望は、1582年、本能寺の変により断ち切られました。安兵衛は主君を救うべく奮闘しますが、数に勝てず、信長を守り切ることはできませんでした。

信長の死後、安兵衛は豊臣秀吉に仕え、その忠義心を尽くします。しかし、秀吉が死去した後、家康に対抗する戦に参加し、関ヶ原の戦いで敗れた西軍に付いていた彼は、戦後の混乱の中で命を落としました。

その死は、1600年のこと。堀部安兵衛は、戦国の風雲児たちと共に、その生涯を終えたのであります。

堀部安兵衛の格言

「梓弓ためしにも引け 武士の道は迷わぬ後と思わば」

これは堀部安兵衛の言葉であり、その武士としての生き様を象徴しています。直訳すると、「試しに弓を引くようなことでも、それが武士の道に迷わない後を生むと思えば」となります。彼がこの言葉を残した背景には、武士としての強い信念と覚悟が見えます。

梓弓とは、弓矢を指す言葉です。試しに引くことすら、武士の道に迷わない後を生む、と安兵衛は言います。つまり、一見些細な行為も、後の道筋を定める大切な一歩となると説きます。その意義は、どんな小さなことでも全力を尽くし、全うすべきという彼の真摯な姿勢に端を発します。

堀部安兵衛のこの言葉は、彼の一生を通じての信義を象徴しています。それは一貫した意志と行動、そして絶えず自分自身を磨き続ける努力への確固たる信念を示すものであります。この格言から、我々はその真剣な生き様と、すべての行為における真剣さを学び取ることができます。