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【HEROES HISTORY#151】アウグスティヌス

【HEROES HISTORY#151】アウグスティヌス

アウグスティヌス、その正式な名をアウレリウス・アウグスティヌスといいます。彼は古代ローマ帝国の終焉と中世ヨーロッパの幕開けを繋ぐ、教父と称えられる重要な神学者であり哲学者でした。彼の生涯は西暦354年11月13日に現在のアルジェリアにあたるタガステにて始まり、西暦430年8月28日に北アフリカのヒッポ(現在のアンナバ)で終わりました。

目次

アウグスティヌスの生涯

354年、北アフリカのタガステに、一人の男児が誕生した。彼の名はアウグスティヌス。敬虔な母モニカと異教徒の父パトリキウスの間に生まれた彼は、初めて命の息吹を吸った時から、大きな運命に翻弄されることとなる。

生まれながらの才能に恵まれたアウグスティヌスは、その優れた学問の才能を父に見出され、名門カルタゴへと送り込まれた。彼は脱皮のために新たな地へと飛び立った。しかし、その才能と自由に満ち溢れた青春は、緩やかに彼を虚無へと引き寄せていった。感性豊かな彼は、純粋な愛情を求め、文学を追求し、魂の安息を望んだ。

やがて彼はマニ教へと引き込まれ、その哲学に深く染まっていった。しかし、真実への探求は終わらず、彼はローマへ旅立ち、宗教と哲学の研究を深めた。

そんなある日、アウグスティヌスはアンブロージウス司教と出会う。その出会いが彼の魂に大きな変化をもたらす。彼の教えからキリスト教の深遠なる真理を学んだアウグスティヌスは、混乱の中から次第にキリスト教への信仰を見つけ出す。彼はバプテスマを受け、故郷へと戻った。

アウグスティヌスの最期

アウグスティヌスは神に仕える者として、教会のためにその学識と才能を捧げることを決意した。彼は司教に昇進し、ヒポの街で人々の導き手となった。その生涯を通じて、彼は人間の罪と救い、神と魂の関係について多くの著作を残した。

その生涯の終わりに、彼は”告白”と呼ばれる自叙伝を遺した。自身の魂の迷走と光への道程を描いたこの作品は、後世に大きな影響を与えることとなる。

430年、バンダル族による包囲戦の最中、アウグスティヌスは76歳でこの世を去った。しかし、彼の思想はその死後も長きにわたり影響を与え続け、彼はキリスト教の大聖人として、後世にその名を刻み続けることとなる。これこそが、アウグスティヌスの遺した最大の遺産であった。

アウグスティヌスの格言

「いかなる場合にても、喜び大ければ大なるほど、それに先立つ苦しみもまた大なり」

アウグスティヌスの格言、「いかなる場合にても、喜び大ければ大なるほど、それに先立つ苦しみもまた大なり」は、彼の生涯と深遠なる思索が結実した哲学的洞察を端的に表現しています。苦しみとは必然的に存在するもの、しかしその先には大きな喜びが待っているという彼の信念は、彼自身の人生の逆境を乗り越え、最終的には神聖なるキリスト教の真理へと辿り着いた経験を反映しています。

この言葉は、彼の心の中で揺れ動く混乱と苦悩、そしてそれを経て得た清らかな信仰心を表しています。それは、いかなる苦難も経験し、それを乗り越えた者だけが真の喜びを得られるという彼の深い理解を示しています。私たちにとって、この格言は、人生の困難を乗り越える勇気と、その先に待ち構えている可能性の大きさを信じることの重要性を教えてくれます。

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