【HEROES HISTORY#361】堀部弥兵衛

堀部弥兵衛（堀部安兵衛）は、江戸時代初期の武士で、赤穂浪士の一人として知られています。彼は1670年に生まれ、1703年3月20日に自刃を遂げました。彼は赤穂事件において重要な役割を果たし、主君浅野内匠頭の仇討ちを遂げた四十七士の中でも特に献身的な忠義を示した人物として広く知られています。

堀部弥兵衛の生涯

1670年、薩摩の地に生まれた堀部弥兵衛は、物心つく頃から剣の道に身を捧げることを決意していた。彼の父は堀部家代々の剣術の師範であり、若き日の弥兵衛は父の背中を見て剣の道に憧れ、その道を進むことを決めた。

武者としての道を志す弥兵衛は、己の技を磨くため各地の剣術道場を訪れ、修行に明け暮れた。そして、その才能は各地で評価され、ついには薩摩藩の藩主にその技を認められ、藩の剣術指南役となる。

堀部弥兵衛の最期

明治時代の到来と共に、時代の流れは剣術から剣道へと変わり、弥兵衛もまたその流れに身を任せることとなった。そして彼は、自分がこれまでに培ってきた剣の技と心を次世代へと受け継いでいくことに生涯を捧げた。

その生涯が幕を閉じるのは1703年、弥兵衛が33歳の時だった。彼の最期は静かで、まるで長い修行の終わりを迎えたかのようだった。その生涯は、一人の剣士が時代の波乱に身を任せつつも、己の道を貫き通した物語である。そして、その終わりは、次の時代へとバトンを渡す新たな始まりであり、彼の存在が剣道の世界に刻んだ影響は計り知れない。

しかし、彼の生涯を語る上で欠かせないのが、その言葉である。その言葉は彼の信念を如実に反映し、彼が剣の道を究める上で何より大切にしていたものを物語っている。そしてその言葉は、今も多くの剣士たちによって引き継がれ、剣道の心として受け継がれている。

堀部弥兵衛の格言

「雪はれて 思ひを遂ぐる あした朝かな」

堀部弥兵衛の格言、「雪はれて 思ひを遂ぐる あした朝かな」は、彼の剣道への執念深さと、その道に対する絶えざる追求心を鮮明に描き出しています。

この言葉には、天候が晴れ渡り、一つの思いが達成される「明日の朝」への期待感が込められています。それはまさに彼の修行に対する情熱と一貫性を象徴しています。彼は努力と困難を乗り越えることで、目標へと続く明るい未来を見据え、その道を進み続けました。

また、「雪はれて」という部分は、困難や障害が晴れ渡って、目指すべき道が見えてくる瞬間を暗示しています。それは彼が困難を乗り越え、新たな視野を開くことの大切さを強調している。

この格言は、堀部弥兵衛の剣道に対する持続的な情熱と、困難を乗り越えて目標に向かう不屈の精神を、我々に示してくれます。その言葉は、堀部弥兵衛が遺した教訓として、今もなお多くの人々に引き継がれています。