【HEROES HISTORY#326】良寛

良寛は、1758年11月2日に出生しました。彼は生涯を通じて多くの詩と絵を残し、また多くの人々に影響を与える禅僧として知られています。そして、彼のこの地上の旅は、1831年2月18日に終わりを迎えました。

良寛の生涯

薄紅色の朝霞に包まれた1758年、小さな命が宿る。良寛、彼の名は後年、禅僧として世に知られることとなる。出身は現在の福井県。両親は貧しかったが、心優しき人々で、その面影を良寛も継承した。

緑豊かな田園風景の中、彼の思考は成長し、ある日、彼は故郷を後にする決断をする。18歳で坊主となり、京都へと旅立った。しかし、物質的な欲求を抑えることの困難さを痛感し、家族を養うための稼業に戻る。その後の数年間、良寛は苦しみながらも生計を立てていく。

しかし、彼の内なる心は修行への道を求め続け、32歳で再度出家、全てを捨てて放浪の生活を始める。雪深い山々、渓流に響く風の音、緑溢れる森林、すべてが彼の修行の場となった。

良寛の最期

1831年、良寛の生涯が幕を閉じる。歳月は彼に白髪と深い皺をもたらしたが、心の中にある澄んだ湖は変わらず、常に清らかなままだった。死を前にしても彼の態度は変わらず、全てを受け入れ、認める姿勢を貫いた。

死の床で、彼は自身の遺言を詠んだ。「いざさらば/人間五十年/下天のうちを/経験してみたものの/夢のごとし/たけき者も/終には散るべし/偏に風の前の/塵に同じ」。これが、彼が世に残した最後の詩となった。そこには、生と死、成功と失敗、全てが無常であるという禅の教えが込められていた。

彼の身体は力を失い、静かに息を引き取った。しかし、彼の精神と教えは、多くの人々に引き継がれ、今日まで伝わっている。その死は、ただの終わりではなく、新たな始まりだった。

良寛の格言

「災難にあう時節には、災難にてあうがよく候。死ぬる時節には、死ぬがよく候」

良寛の格言「災難にあう時節には、災難にてあうがよく候。死ぬる時節には、死ぬがよく候」は、その禅僧としての潔さを如実に示すものです。この言葉は、我々が経験する困難や試練、そして避けることのできない死を受け入れ、その中で静かに存在することの重要性を教えています。

彼は、災難が訪れるのが人生の一部であることを認識し、それに立ち向かうことなく、ただそこにあることを受け入れています。そして、人生の終焉、すなわち死についても同様の態度を持つべきであると示しています。これは、避けて通れない現実を素直に受け入れるという彼の人生観が表現されている。

良寛のこの格言は、我々が避けて通れない困難や最終的な死という現実を、穏やかな心で受け入れ、そこから何かを学び、成長するための助けとなります。だからこそ、この言葉は現代においても、多くの人々に心の支えとなっています。